「ippo」では被災者支援に使用するキッチンカーを購入しました。購入資金は町配分義援金と消防団の報酬です。考え方が一致し、出来る限りの協力をして頂いた、オートリペア那須野さんにて車両を購入しました。
小さなキッチンカーを使えば後方支援、少人数の避難所への対応が可能です。キッチンカーを使うことで人手に頼らず、その場で被災した方々に食事を提供出来ます。小分けさせた炊き出しの仕上げをし、出来たての食事を出す事も可能です。何より安心感が違います。
北海道胆振東部地震の被災者支援を始めた当初、私は避難所へ生野菜のサラダ、刺身や焼魚を差し入れしていました。保健所の指導により避難所には食事を提供出来ませんが、地元の強みで(個人の飲食店です)避難所が閉鎖されるまで差し入れを続けました。
私が移動販売車、キッチンカーを広めようとしている理由に、避難所での食生活があります。ただでさえ大変な思いをされている避難者は、食事が唯一の楽しみです。しかし、支給される食事でお腹が満たされるのは数日。屋外での調理や大量に食事を用意する場合、メニューは限られます。毎日毎食が茶色の食事にインスタントやコンビニ弁当では、気持ちも体調も下がる一方です。
突然日常を奪われての避難所生活。体調を崩して入院したわけでも罪を犯した訳でもない。避難者は「食べさせて貰えるだけ有難い」と言いますが、刺身もサラダも、ラーメンだって当たり前に食べたいと思います。
営業中のキッチンカーは全国に沢山あります。キッチンカーの所有者の協力があれば、災害被災地でも色々な食事やデザートを被災者に提供できます。
しかし、無償・ボランティアとなると難しい。個人でも一回なら動けますが、限界があります。被災者に必要なのは継続的な支援活動です。
災害被災地で活動している各種団体には、何かしらの支援があります。災害時にキッチンカーを個人・団体で協力しながら使用出来る体制があれば、被災者の食生活を豊かに出来るのです。
「ippo」では、キッチンカーを頂いた義援金、オートリペア那須野さんの協力で購入しました。
誰もがどんな方法でも使え共助に役立てて欲しいと、ホームページやインスタで広めようと試みましたが、中々伝わらず。
しかしキッチンカーは、活動に理解して頂いた、福島県「NPO法人表郷ボランティアネットワーク」さんへ譲渡。
たすきが繋がりました。
昨年11月に台風19号の被災地福島県恩返し、恩送り、たすきを繋げに。
その後いわき市の避難所に、大判焼きの差し入れをして頂きました。
表郷ボランティアネットワークさんが
「ippo号」にてボランティア活動
義援金や寄付金、過剰な支援物資のお金が食生活改善の為に使えれば良いと私は何度も思いました。大量の支援物資、ペットボトルの水が野菜に変わればと。
支援のお金をキッチンカーの経費に使うことが出来たら、毎日は難しくても1週間、2週間に一度は活動出来ます。毎食は無理でも、日々代わる代わる違う食事、違うおかず、違うデザートを提供できます。
炊き出しを少人数の避難所へ持って行き、温かい食事も提供出来ます。
下を向きながらお腹を満たす食事より、前を向きながら、一瞬の笑顔でも、楽しい食事となるように。
被災者自らが立ち上がってこそ、「復興」に繋がります。町がなんとなく綺麗になるのが「復興」ではありません!
また、車に積める必要な物資を運ぶ事も出来ます。(大量の物資は行き渡らず、仕分け作業だけで大変です)
現地の詳細な情報収集も可能です。
(確認する内容さえ理解していれば、経営者であればどんな人でも話出来るはず)
共有する事により、必要な物を必要な方にスムーズに届けられます。情報がメディアでしか伝わらず、本当の被災者の声は届きません。
勿論、企業の大きな支援や現地で炊き出しを行う団体あっての話です。
精神的にも大変な状況での大切な食事。本当に必要な物資。報道されない「ソフト面」私は重要だと考えてます。
避難所の食事の話だけですが、様々な横の繋がりで、より良い被災者支援が可能になります。誰もが使いやすく見やすいプラットホーム作りが重要です。